【連載記事】家庭用エスプレッソマシンでラテアートへの道~準備編~第13回「【改善5・効果小】スチーム時の温度管理の厳密化」【全20回】
完全初心者が家庭用マシンでラテアート向けの泡粒の見えないレベルでクリーミーなフォームミルクを作れるようになったマル秘テクニックと全使用機材公開(全20回)
この連載記事に向いている方
- これから家庭用エスプレッソマシンを購入してラテアートもしてみたい予備軍の方
- すでに家庭用マシンは購入済みでどうしてもスチームミルクをうまく作れない方
- デロンギ社製のエスプレッソマシン(特にECP3220J系)に興味のある方および所有者
- 長文でも読破してやるぜという意気込みの方
この連載記事に向いていない方
- ラテアートの注ぎの技術を学びたい方
- 業務用マシンを使っている方
- 長文にどうしても耐えられない方
~準備編~第13回「【改善5・効果小】スチーム時の温度管理の厳密化」
さて、セオリーのお時間がやって参りました。ここから数項目で懸案のミルクスチーム問題の核心に少しずつ迫っていきます。
当連載の第0回にトラブルの一例としても記した「ミルクが泡だらけ&ボソボソ」問題。これには筆者も例に漏れず遭遇しておりまして、ミルクスチームの安定化とともに悩みの種でした。調べてみると原因のひとつと考えられるのが過剰なスチームによるミルクの適正温度範囲の超過とのこと。
他の解説ページでも再三語られるているとは思いますが、念のために書くと牛乳は45度辺りからタンパク質が熱変性をし始め、55〜60度周辺でカフェラテ的な適正範囲(最も甘さを感じられる)を迎え、65度を超えた辺りから成分が分離を始め泡はより粗く、風味・口当たり共に悪くなり、70度辺りから凝固が始まってボソボソしてしまうという流れだそうです。
そういう事細かな化学的変化は体感ではなかなか認識しづらいものがあるので、原因の切り分けのためにもまずは実際のスチーム中のミルクの温度が何度なのかを具体的に知る必要がありました。そこでネットの先人たちの助言に従って温度計を導入してみたのですが、驚いたことに自分が60度前後だと思っていたスチーム中の(ミルクジャグから手肌に伝わる)温度は予想外にも実際のミルクが50度すら下回るタイミング。まじかYO!
使用しているミルクジャグはステンレス製で比較的熱伝導性の高いものと思われますが、主観がいかにアテにならないかということですね。今までベストなタイミングよりもかなり早い段階でスチームをストップしていたことになります。というか、自分の手の皮が薄いのか50度でも正直熱過ぎるんですが・・・(汗)
いや、ちょ待てよ。すると何かい?70度辺りから発生するとかいうボソボソ現象は自分には関係ないってことかい!?ん?
これが連載冒頭の長ったらしい訓示のような文章で書いた「主観による不正確な検索キーワード」による弊害です。つまり人によってボソボソの解釈も様々ということ。単純に口当たりが悪いことをボソボソと表現する人もいれば、牛乳が凝固してしまったホロホロとした食感をボソボソと言う人もいると。自分としては前者が当てはまっていたことが温度計の導入で判明したというわけです。
従ってスチーム温度の適正化はミルクのカフェラテらしい風味改善には役立ってくれますが、筆者が困っていた主観的観点で言うところの「泡だらけ&口当たりの悪さ(旧ボソボソ)」には直接関係はなかったと。しかしながら、美味しいカフェラテを飲みたいという根源的な欲求には応えてくれたのでとりあえず良しとします。
次回「準備編・第14回(【改善6・効果小〜中】ミルク変更)」へ続く・・・