【連載記事】家庭用エスプレッソマシンでラテアートへの道~準備編~第8回「敵は己の中に在り前編。中ボス:クレマ増幅弁」【全20回】
完全初心者が家庭用マシンでラテアート向けの泡粒の見えないレベルでクリーミーなフォームミルクを作れるようになったマル秘テクニックと全使用機材公開(全20回)
この連載記事に向いている方
- これから家庭用エスプレッソマシンを購入してラテアートもしてみたい予備軍の方
- すでに家庭用マシンは購入済みでどうしてもスチームミルクをうまく作れない方
- デロンギ社製のエスプレッソマシン(特にECP3220J系)に興味のある方および所有者
- 長文でも読破してやるぜという意気込みの方
この連載記事に向いていない方
- ラテアートの注ぎの技術を学びたい方
- 業務用マシンを使っている方
- 長文にどうしても耐えられない方
~準備編~第8回「敵は己の中に在り前編。中ボス:クレマ増幅弁」
物語のクライマックスで味方の中にユダ(裏切り者)がいた、なんて今更チープな展開ですが、ユダどころか中ボス級がいましたよ。少しだけマニアックなラテアート攻略系のページでは割と取り上げられている「クレマ増幅弁」です。別名クレマ・エンハンサー様。これがアートをしにくくさせている大きな原因のひとつでした。
クレマ増幅弁とはデロンギ社やボンマック社等の家庭用エスプレッソマシンに採用されているポルタフィルターのフィルター部分の底にある小さな一つ穴のことです。マシン購入時は「へ~!エスプレッソってこういう穴から抽出されてるんだ!?」と感心したものですが大きな間違いでした(恥)
どういう物かを掻い摘んで言いますと、良い状態の豆から適切に抽出されたエスプレッソの液面に見られるきめ細かな泡の部分(=クレマ)を人工的に発生させる機構です。豆の品質・状態を問わずある程度クレマが出ているかのように泡ぶく(=偽クレマ)で誤魔化す装置とも言えます。それだけならまだ可愛いものですが、やっかいなのはラテアートの観点では本来のクレマ部分の層が泡ぶくで無駄に分厚くなってしまうため、注ぎ時に液面をミルクでカップ奥に押し込めない(=対流が起こらない=ユラユラ揺れない!)原因となってしまうこと。
なるほど、いくらミルクスチームを頑張っても最後の最後で偽クレマが障害となり、ラテアートの注ぎに失敗するべくして失敗していたということなんですね。
さて、この偽クレマ問題。ちょっと手を出しにくいハード面が関わっているので我々初心者は頭を抱えてしまいそうですが、先人が残してくれた解決法は思ったよりシンプルでしたのでご安心ください。ただし機材の追加が必要になります(汗)
次回「準備編・第9回(【改善1・効果大】抽出機材の一部変更~偽クレマとの別れ~)」へ続く・・・