どろぬま珈琲 マル秘メモ

完全初心者が家庭用エスプレッソマシンでラテアートを習得するための備忘録

【連載記事】家庭用エスプレッソマシンでラテアートへの道~準備編~第9回「【改善1・効果大】抽出機材の一部変更~偽クレマとの別れ~」【全20回】

完全初心者が家庭用マシンでラテアート向けの泡粒の見えないレベルでクリーミーなフォームミルクを作れるようになったマル秘テクニックと全使用機材公開(全20回)

この連載記事に向いている方

  • これから家庭用エスプレッソマシンを購入してラテアートもしてみたい予備軍の方
  • すでに家庭用マシンは購入済みでどうしてもスチームミルクをうまく作れない方
  • デロンギ社製のエスプレッソマシン(特にECP3220J系)に興味のある方および所有者
  • 長文でも読破してやるぜという意気込みの方

この連載記事に向いていない方

  • ラテアートの注ぎの技術を学びたい方
  • 業務用マシンを使っている方
  • 長文にどうしても耐えられない方

~準備編~第9回「【改善1・効果大】抽出機材の一部変更~偽クレマとの別れ~」

さあ、ここからは怒涛の改善ラッシュでお届けしていきます!

 

偽クレマを作り出すことが分かった今や残念な我がフィルター君ですが、これだけを何か他のものに交換しようにも本体付属のポルタフィルターが仮に専用規格だった場合、不用意な買い替えではうまくハマらないなど痛い目を見そうなので初心者としては少々怖いところです。出費は少しかさみますが、ここではいっそポルタフィルターごと替えてしまいましょう。

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デロンギ製ECP3220J純正のポルタ・フィルター。思い切ってこれを替えます!

というのも、偽クレマ対策のフィルター交換とよくセットで語られているボトムレス・フィルターネイキッド・フィルターとも呼ぶそうです)というものの導入が多少の好みの差はあれ「エスプレッソの飛躍的な風味向上に役立つ」という情報を見かけたためです。

 

ボトムレス・フィルターとは、文字通りボトム)がレス無い)ポルタフィルターのこと(ポルタは省略されることも多い?)。抽出されたエスプレッソが空気以外は何物にも触れることなくダイレクトにカップに注がれるという代物です。名前のお尻にフィルターとあるので混同しそうですが、正確にはフィルターをカポッとはめ込む先の持ち手のついた受け皿の方です。これごと思い切って変えちゃおうと。

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ボトムレス・フィルターによる抽出イメージ。ほほー、プロはこんな感じにするのね?

今まで小手先の改造でお茶を濁してきた自分にとって、これから受け入れるであろう大きな変化に若干尻込みもしましたが、そんな時に天使か悪魔か分かりませんが耳元で囁くんですよね。「ここまでこだわってきたんだから、YOU!やっちゃいなYO!」と。

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天使か悪魔が耳元で囁くんです

謎の後押しを受けて、さっそくいつものAmazonで検索開始。当時、自機のECP3220J対応とはっきり記載のあったボトムレス・フィルターは生憎の品切れ(終売?)。代わりによく分からない近い型番のECP3420という機種には対応と書いてある商品を発見。NEOUZAというショップ(メーカー?代理店?)のものだそうな。

クレマ増幅弁の無いフィルターが付いて価格も値ごろ。且つ初心者心をくすぐるオマケの付属品も豊富ということで気になって問い合わせてみたところ、ECP3220Jにも使えそうとのことでしたので意を決して取り寄せてみました(発送元が中国?のためか日数は結構かかりました。品質はGOOD!)。

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新旧ポルタ・フィルターの比較。ボトムレスの持ち手がローズウッド製で意外にオシャレ。

待ちわびた商品が到着しワクワク開封の儀。とにかく自機に装着できるかどうかが全てですので急いで当て込んでみたところ、少し緩い感じはするものの特に問題なさげ。ヨッシャ!初回ですので中性洗剤で軽い洗浄と拭き上げを終えた後、ルーティーン通りにエスプレッソ抽出へと移ります。さあ、記念すべき一杯目!!

 

ドキドキ・・・

 

ブシャー!ピュー!!ピュルリラ、ピロレロ!ジョビジョバーッ!
あっ!あああああ!?なんじゃこりゃーっ!!?

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無数のエスプレッソ・レーザービームでカップ周辺が凄惨な光景

カップ周辺一面が飛び散ったエスプレッソで大変なことに。こ・・・これは。

 

ナシテ?・・・ドボジデ?

 

予想外の大惨事に意味が分からず半ば放心状態。しばらくしてハッと我に返り、おぼろげながらAmazon購入時に目にしていたあることを思い出していました。

 

チャネリング、ゴールドストリーム、スプラッシュ、複数のストリーム。これらはNEOUZAのボトムレス・フィルター(別商品)の販売ページにご丁寧に写真付きで書かれていた抽出時の現象名です。ささっと読み飛ばしていたせいで、それらが実際に目の前で起こるまで抽出時のテクニックか何かと勘違いしていました(だって名前がカッコイイんだもん)が、今となっては事前にトラブルを警告してくれていた有り難い啓示のようなものでした(汗)

 

どうやらボトムレス・フィルター、別名ネイキッド・フィルターはその名前が示唆するように、裸の自分が晒される=抽出手順の良し悪しがそのまま反映されてしまうようです(個人的解釈です)。つまり、少しでも不備があれば何らかの形で目に見えて抽出に異常をきたすと。その代表例が先の4パターンというわけですね。なるほど納得。今回どうやら自分はエコーなしでカラオケするような誤魔化しのきかない厳しい世界にまんまと身を投じてしまったようです(汗)

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では、何をどうすればいいのか?という部分については、実はその時点の自分には何となく察しが付いていました。それはなぜか。ここまで様々な経験者たちの抽出風景を写真や動画で見続けてきた自分の手元には確実に欠けているものがあったからです。それは・・・、

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1.まともなタンパー
2.ディストリビューター
3.スケール

という三種の神器です。

 

おいおい、そんな大事なものも無しに今までどうのこうの語ってたんかい!と諸先輩方には怒られてしまいそうですが、実際そうでした(汗)初心者とは常に予想の斜め上を行くものです。テヘペロ

 

タンパーに関してはマシンに付属のプラスチック製の物がありますのでご存知かと思いますが、それのおかげで今まで最低限のレベルはおそらく守ってこれたかと思います。しかし、いかんせん経年劣化と言うんでしょうか。押し込む丸いツバの部分が微妙に反り返ってしまって、満足に役目を果たせているのか正直怪しい状況ではありました。

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純正タンパーは湾曲しやすいというクチコミも・・・?

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本当はこんなカッチョイイのを使った方がいいのか・・・!?

ディストリビューターこれはその当時、本当に必要かどうかには少々疑念を抱いていました。クルクルと回して粉の表面を地ならしする姿は何かとオシャレではありますが、最終的にタンパーで豆の粉を押し込むんだから一緒じゃないかなーと。しかしながら、前述のボトムレス・フィルター由来の抽出トラブル4パターンに次々と遭遇することによって考えを改めました。無かったら地味に大変なことになっていたなと。言うなれば準必須アイテムといったところでしょうか(パターンとの関連はいつかまた)。

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最初はなぜ必要なのか分からなかったディストリビューター

スケールは文字通りのいわゆる計りです。これまで豆はフィルターのすり切りから目視で5mm下辺りまで詰める、牛乳はミルクジャグの内側の線を目安に任意の量まで入れるという正にどんぶり勘定でやってきた自分ですが、ついにそのボロが出始めたのでは?という感覚でした。幸い以前に別の用途で購入していた0.01g単位無駄に細かく計れる謎のデジタルスケールが手元にありましたので、お高い専用品にお金をかけずに済みました。

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0.01g単位で計れる無駄に高性能なデジタルスケール

さあ、ここまで来たら善は急げとばかりに残りの2つは絶賛活用中のAmazonで緊急手配です。もうトラブル以外で悩むのはイヤなので、一度実績のあるNEOUZAさんをチェックしに行ったところ、ディストリビューターとタンパーの両機能を備えたスグレモノがあったので迷わずオーダー。どうせ一括梱包されるでしょうから、ついでにフィルターに粉を詰める際にこぼれにくくするというドーシング・リングなる物もポチってみました(今は手放せない必須アイテムです!)。

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ついでに衝動買いしたドーシング・リング。地味に便利!

しばし待つ・・・。ピンポーン♪ キター!(はやっ)

 

ハイ。いつもの豆、いつもの手順で手早く抽出テストです。余計な不確定要素をいかに無くせるかがエスプレッソ抽出では重要だと思いますのでその辺に抜かりはありません。そして今回からスケーラーによる適切な豆の量ディストリビューターによる適切な整地、まともなタンパーによる適切な角度からの適切な加圧という三要素が加わっての初のトライです。まあ、言っても適切と信じて、レベルですが(汗)

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かき集めた情報から見様見真似で正しい(っぽい)手順を追った結果・・・どうなる!?

緊張の一瞬・・・。

 

キタキタキター!!!

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キターーー!!ネットの写真で見た憧れの一筋ピーン!!

濃厚トロリ一筋がピーンと!これですよ、これ!紛れもなく粘性の高い液体トロトロとカップに落ちていく様はまさに念願の光景(涙)純正ポルタフィルターのシャバシャバ・エスプレッソなんてなかったんや!

 

姿勢を正してその神々しいまでの液体をグイと口に含んでみると、今までの抽出とは何だったのかと疑問にさえ思う深い味わい。これや・・・これが飲みたかったんや。お店と比べても大差ないでホンマ。ほんまスッキリや!

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同じ豆でもクレマの厚みが今までの軽く2倍はあります!!マジかー!!

抽出に対する純粋で適切なアプローチを試みたというだけでここまで味わいに変化をもたらすとは正直予想だにしませんでした。

 

あまりの衝撃の大きさについ呆けてしまいましたが本題に戻ります。ボトムレス・フィルターのエスプレッソの味に対する好影響は今回はあくまで副次的なもので、本来はクレマにミルクを注いだ時の対流に良い変化が起きるかどうかが重要でした。

 

結果から言うとそちらは拍子抜けするくらい好転しました。今までミルクの注ぎに対して頑なに動こうとしなかった液面がハッキリと揺らいでくれるようになり、むしろ注ぎの技術不足の方が目立つようになってしまいました。まあ、自分が未熟なのは当然なので一向に構いませんが(涙)

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適当にササ~ット注いだだけでヌルヌル動いてくれるクレマさん!!欲しかったのはコレ!

次回「準備編・第10回(【改善2・効果小~中】豆の種類や焙煎度合いごとの抽出量の適正化)」へ続く・・・

 

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