どろぬま珈琲 マル秘メモ

完全初心者が家庭用エスプレッソマシンでラテアートを習得するための備忘録

【補足】家庭用エスプレッソマシンでラテアートへの道~トラブル解決編~「真ボイラー騙し、爆誕」

【注意】当記事は2022年9月時点の原稿のため、現在の筆者の考えと一部異なります。参考程度にご覧ください。

(現在の筆者の考えに至るまでの経緯を把握しやすくするために敢えて過去の保留原稿をアップ中)

 

完全初心者が家庭用マシンでラテアート向けの泡粒の見えないレベルでクリーミーなフォームミルクを作れるようになったマル秘テクニックと全使用機材公開(全20回)

この連載記事に向いている方

  • これから家庭用エスプレッソマシンを購入してラテアートもしてみたい予備軍の方
  • すでに家庭用マシンは購入済みでどうしてもスチームミルクをうまく作れない方
  • デロンギ社製のエスプレッソマシン(特にECP3220J系)に興味のある方および所有者
  • 長文でも読破してやるぜという意気込みの方

この連載記事に向いていない方

  • ラテアートの注ぎの技術を学びたい方
  • 業務用マシンを使っている方
  • 長文にどうしても耐えられない方

~トラブル解決編~「真ボイラー騙し、爆誕

前回ブログの蒸気圧問題については、正直、9割9分諦めてたんですよね。ECP3220Jのスペックの限界っぽかったですし。

 

さらに連日不毛な検証と試行の繰り返しですでに限界が来ていたので、もう他の機種でも買おっかな~と半ば自暴自棄状態。

 

ところが、物色も兼ねて眺めていたYoutubeでたまたま流れてきたとある海外動画、そのワンシーンに筆者の目は釘付けに!

驚きすぎてコーヒー吹いたわ!

 

 

Tips and Tricks for Single Boiler Espresso Machines - YouTube

4分15秒辺りのイメージ映像をご覧あれ。

 

見た瞬間、もしや!と思いましたね。

 

キーワードは"Make more room for the steam."

(蒸気のためのスペースをあける)


日本国内のブログ等ではほとんど言及されていなかった(?)水抜きしてボイラー内に蒸気を貯めるための空間を予め確保するという発想。


もしかすると物理をかじったことのある人には常識レベルなのかもしれませんが、もしイメージ通りなら、圧力の向上持続力の両方が手に入る魔法のような手法です。

困ってたとこ両どり出来るなんて魔法やん!!

 

更にやり方も至って簡単スチームONの直後にバルブを開放してスチームノズル経由でボイラー内の水分を排出するだけ。
(動画内ではバルブの開閉で5秒くらい排水しては蒸気を溜めるを必要に応じて何度か繰り返してもよい、と言ってるようにも聞こえますが)

 

え?水抜きならいつも空ぶかしでやってるじゃん?と思った方、それはチーミング開始直前のノズル内(及び経路)の水抜きです。


今回は、エスプレッソマシンが蒸気を作る「前段階」「ボイラー内の水を一部(?)抜いておこうという意図によるもの。

 

動画内で使用されているのは他社製の中位機種ですし、同じ構造かどうかも分かりませんでしたが、とにかく追い詰められたイタチの最後っ屁のつもりで出来ることをやってみようと試してみたところ、、、

 

ドンピシャ、キターーーッ!!!

ボイラー騙し、完全復活!!

撹拌途中でランプ点きません!


ついにボイラー騙し強制無効化のキャンセル成功です!(感涙)

感動のあまり小躍りしてもうたわ!

 

超絶に気分が良いので、従来の裏技と区別するために

勝手に命名「水抜きボイラー騙し」(まんまやがな!)


教えてくれた海外動画(Whole Latte Love)の中の人、ホンマおおきに!

 

正直、前回のブログで立てた仮説がどのようにクリアされたのか、、、はよく分かっていませんが、とりあえずは結果オーライ。晴れて季節を問わず安心してボイラー騙しを使えるようになりました。実は今回、愛機のECP3220J向けにこの裏技をネタ元の海外動画の手順から少しアレンジしたので、それも含めた詳細を次回「チーミング法(詳細編)with 水抜きボイラー騙し」としてご紹介します♪

 

余談:本体暖機後のスチーム時にボイラー騙しの有効時間が減る問題は依然残っていますが、それでもこの裏技のおかげで十分に撹拌完了まで持っていけるようになりました。

 

次回、「スチーミング法(詳細編)with 水抜きボイラー騙し」へ続く

 

関連記事 【補足】家庭用エスプレッソマシンでラテアートへの道~準備編~「ECP3220J ミルク・スチーミングの詳細すぎる手順解説」

【補足】家庭用エスプレッソマシンでラテアートへの道~トラブル編~「ボイラー騙し、謎の強制無効化事件、発生」

【注意】当記事は2022年8月時点の原稿のため、現在の筆者の考えと一部異なります。参考程度にご覧ください。

(現在の筆者の考えに至るまでの経緯を把握しやすくするために敢えて過去の保留原稿をアップ中)

 

完全初心者が家庭用マシンでラテアート向けの泡粒の見えないレベルでクリーミーなフォームミルクを作れるようになったマル秘テクニックと全使用機材公開(全20回)

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~トラブル編~「ボイラー騙し、謎の強制無効化事件、発生」

2月頃(2022年)からECP3220Jに特化したミルク・スチーミングの模索に明け暮れ、せっせと記事を書いては消しを繰り返していたら、いつの間にか季節はうららかな春。いや、気が付けばもう真夏(2022年8月)でした(滝汗)

 

懸案事項だったスチームノズルも交換できたし、満を持してマル秘スチーミング法を公開してやるぜぇと思った矢先!予想もしなかったトラブルに見舞われました。。。

 

 ボイラー騙しサーモスタット騙し)の裏技「謎の強制無効化」事件発生。

正確にはボイラー騙し発動中にも関わらず撹拌完了前の早い段階でスチームランプが点灯(※)してしまう原因不明の症状。ナシテ?・・・ドボジデ?

 ※それ以降、蒸気が作られなくなり、勢いが衰えて大抵は撹拌が不十分なままミルクが規定温度に達する

 

幾多の不毛な泥沼を切り抜けてきた筆者は直感的に察しましたね。これはおそらく史上最高難度の沼であると。案の定、何度やっても不動の再現性あり。やっとの思いで安定しかけたスチーミング大粒の泡だらけの初期シャバシャバへと逆戻りです。。。(涙)

シャバシャバのイメージ

一向に改善の兆しが見えない中、もうミルク・スチーミングだけ別の機械を使うしか方法が残されていないというギリギリのところまで追い詰められた筆者。一応レベルで調べてみると抽出とスチームを別マシンで行っている人は意外と多いようで、すぐに候補が見つかりました。

 

 

ガスコンロ(IHも一部可?)を熱源にして、簡易のエスプレッソ抽出と本格スチーミングを行える電源不要の商品で、特にスチームの威力並の(家庭用?)エスプレッソマシン以上らしいというクチコミ評価がなんともワンダホー。しかし、お値段も万単位という正にエスプレッソマシン並(汗)、思いつきでポチるには少々勇気がいります。。。

 

。。。さあ、迷った時は得意技「最後の悪あがき」の出番です(笑)

追い詰められるほど燃えるってもんよ!

 

今回の「ボイラー騙し、謎の強制無効化」問題について正直やれることはやった気になっていましたが、人間、追い込まれると出てくるもんですね(笑)捻り出されたのは以下3つの検証の余地。

 

 1.いつも購入している牛乳(=明治おいしい牛乳)の性質が変化した可能性
 2.ミルクスチーミング無しでボイラー騙しが正常に機能するのかどうか
 3.筆者のスタイルは先抽出の後スチーム(逆に言えば先スチームの時にどうなるのか)

 

1.については以前の記事でも触れましたが、乳脂肪率(又は含まれる成分)の違いによって僅かながら撹拌効率に差が出る(気がする)というもの。粘性が上がるので逆効果の気もしましたが念のため特濃ミルクで試したところ、やはり同じようにボイラー騙しの強制無効化が発生。大粒の泡とシャバシャバに変化はありませんでした。ちなみにスチーミングの練習でよく使われる洗剤入りの水道水で試しても結果は同じ。どうやら粘性の高低の問題ではないようです。

 

2.エスプレッソ抽出の後に空のジャグでボイラー騙しを試してみたところ、バルブを閉じるまでスチームランプが消えたまま蒸気が作られ続けることを確認(=ボイラー騙し自体は問題なく機能している!)

 

3.慣れとは恐ろしいもので、こんな基本的なことを試していませんでした。残念ながら先スチームでもボイラー騙しの強制無効化は起こりましたが、スチームランプの点灯までに時間的余裕若干(5秒程度)ですが生まれるようです。

 

1と2を考え合わせると、ボイラー騙しはおそらく正常に機能しているが、液体をかませるスチームランプが点灯するまでの時間を早める何かしらの因子が働くということになります。その正体を掴めれば解決への糸口が見えてきそうです。

果たして沼から抜け出せるのかっ!?

 

3の検証で得られた「時間的余裕」を生み出す因子はおそらく後スチームと先スチームというスタイルの違いに潜んでいると思われます。その違いで挙げられるとすれば、エスプレッソマシンの暖機完了前後かということ。エスプレッソマシンは電源投入後ボイラーから伝わる熱で本体内部の温度が上昇していくので、その温度が低いうちに行う先スチームの時に「時間的余裕」が生まれるたのだとしたら、この場合の因子は「熱」なのでしょうか?

熱の問題のように思えるが。。。

そういえばまだ気温の低かった春先くらいまでは後スチームでも問題なくボイラー騙しが成功していたので、春以降、次第に暖かくなってきた気温の推移とボイラー騙しの強制無効化発生は時系列的にもある程度リンクします。寒い時期にはうまく騙せていたサーモスタットが本体・環境温度に影響され始めたという感じでしょうか。仮にそうだとすると、また寒くなるまで何ヶ月もボイラー騙しを封印(=我が家では実質カフェラテ・カプチーノ封印)しなければならないということ・・・!?(涙)

麗しのカフェライフ危うし!?

・・・いや、まだだ、まだ終わらんよ!

 

よくよく考えてみれば、上記2の検証時、後スチームでも空のジャグならボイラー騙し自体は機能していたので熱が因子の全てではないようにも思えます。検証1のように液体をかませた時だけスチームランプが早々と点灯するわけですから、、、

 

液体をかませた時だけ。。。( ゚д゚)ハッ!

 

もしかしてもう一つの因子って、いわゆる「圧力=蒸気圧」ってやつですか!?

 

丸っ切り想像ですが、ノズルから蒸気を噴出する圧力がジャグ内の液体の粘性に負け、高温の水蒸気がボイラーから効率よく出て行けないせいで次第にボイラー内温度が上昇してしまい、結果サーモスタットが(蒸気が満足に無くても?)スチーム準備完了と見なす=規定温度に達したと誤判定してしまっている、、、とか?(いやまあ、設計思想的には誤判定ではないのかもしれんけど)

これぐらい圧力があれば、もしや!?

そう考えると、ボイラー騙しが成功していた寒い時期は、仮にこれと同じ問題を抱えていたとしても、外気の冷たさからボイラー内の温度上昇が緩やかなり、サーモスタットの誤判定リミットまでに時間的余裕があるのと季節的にミルクの温度上昇も緩やかなので、スチーミングは元々圧力不足で非効率的ではあっても、じっくり細々と撹拌完了まで漕ぎ着けられていた・・・と思えば辻褄が合います。

 

とかなんとかザックリ原因の仮説を組み立てることは出来ましたが、問題は蒸気圧ですよ!安価な家庭用エスプレッソマシンに蒸気圧を上げる方法なんてあるんかいな!?今だってスチームランプ点灯ギリギリまで蒸気を溜めてからボイラー騙ししても速攻(10秒台)無効化発動してるやん。いやもう、これマジ手詰まりじゃね!?(発狂)

 

はい、終わったーーーーーーm9(^Д^)

 

次回、「真ボイラー騙し、爆誕」へ続く

 

関連記事 【補足】家庭用エスプレッソマシンでラテアートへの道~準備編~「ECP3220J ミルク・スチーミングの詳細すぎる手順解説」

【日本最速レビュー】HiBREW G5【神機?】(コーヒー用 高性能 電動グラインダー)

日本最速レビューHiBREW G5【神機?】コーヒー用 高性能 電動グラインダー)

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「HiBREW G5」日本最速(?)レビュー

本記事は未だエスプレッソの初心者であるはずの筆者が当ブログで語ったことのない知識をベースに話が進みますが、該当機種の日本最速レビューを目指す関係上、今後アップする予定の過去の書き溜め記事(2年近く沼った経験値が詰まってます)をすっ飛ばしてますので、この記事だけ筆者の経験値が謎に高いことをご容赦ください(笑)

 

--ここから本編--

どうやらクラウドファンディングで日本公式発売が近いみたいなので、輸入のリスクを取ったアリエク(Ali Express)購入組として、せっかくなので国内購入組の皆様に参考にして頂けるようHiBREW G5 日本最速?緊急レビューしときます。

 

まず、グラインダーを新調しようと思った理由として、愛機であるタイムモアの高性能ハンドミルSLIM Plus挽き目調整限界を感じていたことがあります。

性能は抜群ながら、挽き目調整に限界を感じ始めた我がSLIM Plus



エスプレッソの抽出は豆の状態に合わせてミクロン単位の挽き目調整が必要になりますが、SLIM Plusは挽きの性能は抜群ながら1クリック当たりの調整幅広過ぎてエスプレッソ用途では実質的に挽き目はほぼ固定でドーシング(豆の量)で調整するしかありませんでした。

 

そのため、理想を言えばクリック式ではない無段階の挽き目調整が可能なグラインダーを手に入れたかったわけなんですが、正直、その辺ど素人な筆者は何を選んで良いかサッパリ分かりません。

 

さあ、またも泥沼必至の情報収集の始まりです(笑)

いつも通り、沼って参りましょう!

 

ところで、タイムモアのSLIMPlusになってからハンドミルによる極細挽きでは一時業界最速とも言われていましたが、いかんせん毎日のことで多少は腕が疲れます。まあ、せっかくなら電動グラインダーで楽しながら美味しいエスプレッソやカフェラテを飲めれば一挙両得ってなもんで、いそいそとリサーチ開始したわけですが、、、

 

電動グラインダー、似たような商品多くね!?

こんなん選べるわけないやん。。。

 

コニカル刃?フラット刃?40mm?64mm?83mm?RPM
なんぞこれ?

 

いきなり訳わからん単語山のように出てくるやん。。。


せや!YouTubeで「推し」の多いやつやったら、多分ええんちゃうか!?

知らんけど。

 

しかーし、YouTube界隈もなんかメーカーのプロモーション案件ばっかりでどの機種が本当に良いのか。。。James HoffmannLance Hendrickなど、有名どころのYoutuberの推薦動画を総当りしてみても判断がつきません。

人によって推しが変わり過ぎて不自然さありありでんがな(笑)

 

 

ただ調べまくって分かってきたのは、業務用だろうが家庭用だろうが、どれも一長一短完璧な機種はほぼほぼ無いということ。

 

なら、完璧は捨てて最低限自分に必要な条件に絞っておけば、少なくとも大外れは無さそうってことで気持ちの切り替えをば。

 

【筆者の必要条件】は以下の通り。

 

・挽き目の無段階調整
エスプレッソの極細引き対応(出来ればドリップまで一台で対応できると嬉しい)
静電気少なめ(微粉まみれイヤン)
・リテンション(=粉残り)少なめ
・なるべくお安い価格帯でヨロ

 

幸い最初の「挽き目の無段階調整」の時点で多くの候補が外れてくれるわけですが、無段階という使い手のスキルを問う類のパラメーターゆえに、該当するのは10万以上するような業務用とか高級機種が多いんですよね。。。正直、予算的にキビチイ

 

ええい、ある程度性能さえ良ければこの際出自は問わん!
アリエク神よ、我に力を~!

 

5分見つかった!

ホントは2ヶ月沼った(涙)

 

晴れて、HiBREW G5様のお目見えです。

発売されてそんなに時間が経ってないのか当時(2023年9月)公式販売数1桁で、第一印象としては正直、怪しい。

カテゴリ的に似たようなフォルムのグラインダーが多いんですよね。。。でも!

 

しかし、紹介映像やスペック、僅かに見つかった海外レビューを見てみると、挽き目の無段階調整ありエスプレッソより細いトルココーヒーからドリップまで対応、静電気防止(抑制?)機能あり、粉残り0.2%と、なんか嘘くさいほどに完璧!?

 

さらに、グラインダーでは高級機種にしか搭載されていない刃の回転速度の調整機能(400rpm又は500rpm)や、グラインド時の傾斜(垂直または15度傾斜)まで選べるというギミック付き

いや~、なかなかどうしてメカ好き男心をくすぐってくれるジャマイカ

 

気になるお値段はアリエクのセール時期も相まって3万円アンダー。もちろんタイムモアSLIM Plusに比べるとお高いですが、近いスペックの電動ものが日本国内で5万円オーバーだったりするのを考えると、機能的にはもしかすると安いのかも。。。?

 

ちなみに、グラインダーの肝心要の「刃」については、コニカル式40mm(ショップの説明画像には48mmとも書いてあったけど多分40mm?)とのこと。

高級機種に搭載されがちなフラット刃を選ぶべきか迷いましたが、複雑味の求められるエスプレッソには粉砕された豆の表面積が大きくなる(=良くも悪くも抽出要素が増えるコニカル刃が向いているということで、メインのエスプレッソ用途で考えた時にとりあえず方向性自体は問題ないかと。

プロ大絶賛のNiche Zeroコニカだったりしますし。

 

よーし、さっそくポチったったで!

いや~、最近のアリエク配送の速いこと。

10日くらいで速攻届いた!

 

でも、なんか外箱に大穴空いてるんですが、、、しっかり本体箱に貫通してもーてるし。。。どゆこと!?(怒)

穴って言うか切られた感じなんですけど!?海外物流ってそんな危ないの?

ただ、そこはさすがHiBREW様。5cm級の極厚緩衝材で無傷。。。ちゃうやん。。。ちょっと傷いってるやん。(後日サポートが超丁寧に対応してくれました。感謝)

機能的には影響がなくて良かったですが、新品に傷アリは切ない!!

 



さて、気を取り直して開封の儀

本体+付属品一式。結構シンプル!

 

本体の想像以上にずっしりとした重量感金属の塊感に思わずニンマリ
これだけ重けりゃ稼働時に振動でズレたりもしないでしょう。

端正なお顔つきのHiBREW G5。持ち上げるとズシっときます。

 

※電圧は日本国内の110V対応で問題なし。コンセントは互換性のある米国タイプを発注したので問題ないはずでしたが、運悪く三叉タイプだったので、たまたま家にあった変換プラグかまして難を逃れました。

(1)三叉プラグを(2)変換プラグでカバー!

 

そして念願の初グラインド。いつもの豆16〜17gを投入し、まずは何も考えず適当なエスプレッソ対応挽き目ラインに合わせて傾斜なしでスイッチオン=回転数は低い方が粒度は整うと聞いていたのでボタン長押し=400rpm



は、、、、はやっ!!

挽き終わりまで、ものの10~15秒程度。

は、はええ!シュイーンというモーター音もカッチョイイ。。。(トクン

 

気になる静電気由来の粉受けカップ微粉へばりつきは思ったより少ない!

クランプ(粉の塊)はある時はありますね。どうせWDTで地ならしするので許容範囲内ですが。

 

ポルタフィルターに盛った時の微粉の印象はタイムモアSLIM Plusより少し多いかも?それがエスプレッソ抽出で良い方に転べばいいですが。。。果たして!

(1)カップをひっくり返した直後はクランプあり(2)WDTで地ならし後

 

記念すべき初抽出、、、ぬおー、クレマもりもりで期待ボルテージMAX。。。でしたが、意外にもスーパーマイルドな味。。。だと?


少し挽き目設定が浅かった(=未抽出寄り)のもありますが、タイムモアに比べて、なんだか無難な味にまとまった感じ。
え、、、こんなものなの?

味はともかく、やっすい豆でもクレマもりもりやんけ!



オーケー。まずは落ち着こう。

まだあわてるような時間じゃない。

調整できるパラメーターはまだまだあるではないか!
挽き目、ドーシング、回転数、傾斜、etc。

 

くどくど書くのもアレなので結論から言うと、挽き目を若干粗くして、ドーシングを増やし、回転数を上げて傾斜をつけると、以前のようなリッチな味わいに!

 

どうやら、電動グラインダーの回転数と傾斜はエスプレッソの味わいに大きく関わってそうです。詳しくは長くなりそうなので、またいつか別記事で書ければと思いますが、体感上の話をかいつまんで言うと、回転数が低いとある程度豆の粒度が揃う代わりに味の複雑味が減るということ。傾斜の有無は高速回転するコニカル刃への豆の侵入角度等の関係で豆粉砕の安定性に関わる、つまり、傾斜なしで安定する(=挽く精度が高い?)ことが味の意味で必ずしも正解ではないということ。

(1)垂直状態(2)15度傾斜 この違いが味を変える!



なるほど、コニカル刃の人気グラインダー各種を見ると傾斜ありで固定されてるものが多いですもんね。この辺は回転数と合わせて豆に合わせた使い分けが重要そうです。(傾斜があると重力補正でグラインダー内の粉残りが気持ち少なくなるメリットもあります)

 

さて、今回、HiBREW G5購入で一番良かったのが、やはり無段階の挽き目調整
日々変化するコーヒー豆の状態や産地別の豆の特徴に合わせて即座に挽き目でダイヤルイン(=狙った味の設定にピタッと調整)できるだけでも、クリック調整式のハンドグラインダーとは雲泥の差があります。

トルココーヒーからドリップまで36段階の表記!



ちなみに挽き目の幅は全体的にエスプレッソ寄りの細めで、ドリップ対応の目盛りに合わせてもまだまだ細いです。しかし、ここからがHiBREW G5の面白いところ。

 

ドリップ対応の目盛りを過ぎても、まだ回せます(笑)

 

つまり、幻の2周目が存在するということ。。。!?(昔のゲームか?)

 

本当に連動して粒度が上がっていくかはこの記事を書きながら再検証してますが、どうやら機能してますね。ただし2周目の目盛り21辺りが限界点らしく、それ以上はパーツ間の接点が離れて警告ランプが点滅する仕組みのようですのでオススメは出来なさそうです。

 

ともあれ、幅広い用途に使えるグラインダーであることは間違いなく、中級機として確実に満足度の高い商品と言えます。

 

強いて難点を挙げるとすれば、粉受けカップの口が細いためにベロー(粉残りを強制排出するポフポフ機構)を押した時に風圧でコーヒー粉が周辺に少し飛び散ることでしょうか。面倒臭いですが都度カップを持ち上げて粉の出口を覆いながらポフるか、本体の傾斜をつけて挽く場合は概ね問題ありません。

 

なお、HiBREW G5は使用者が触れる部分の構造がシンプル分解・清掃等のメンテナンス性も高いです。うちではタイムモアSLIM Plus付属のブラシと、PC用のダストスプレーを使って最低週1でメンテしています。清潔なマシンで抽出するエスプレッソの味はやっぱり格別ですよね!

 

※書き忘れていましたが、リテンション(挽いた後の粉残り)は0.2パーセントとまではいきませんが、根気よくベローをポフポフすればかなりいい線行きそうな印象です。

ホッパー部分を回して外すだけでコニカル刃にアクセス可。メンテしやすい!

 

あとは長持ちしてくれれば言うことなしです。

以上、取り急ぎのHiBREW G5のレビューでした。

 

関連記事

【補足】家庭用エスプレッソマシンでラテアートへの道~準備編~「効果てきめん!スチームノズル交換の成功・失敗談」

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~準備編~補足「効果てきめん!スチームノズル交換の成功・失敗談」

以前ご紹介した「結束バンドでお手軽スチームノズル改造」は正直画期的だったのですが、短いというウィークポイントはやはり不満として残ってまして。。。

 

足りない長さをカバーするためにノズルの理想的な角度とかを度外視してスチームワンドを強引に液面近くまで持ってくる必要があるので、毎度言いようのない敗北感に苛まれます。

 

どうにかならんものかと期待薄で調べて回っていると、不確定情報ながら「ある」じゃないですか!

 

 ECP3220Jに別モデルのノズルを装着できる

 

情報の中には本体を分解して業務用っぽいスチームワンドを取り付けられるというものもありましたが、ビビリの筆者には到底無理。
今回は手を出しやすそうなノズル先だけ交換するプランで手を打つことにしました。

 

どうせ交換するならより高性能なものを!

 

深く考えずにそう思った筆者がほうぼう探して見つけてきたのがコチラ。デロンギ製品に装着できるらしい互換品で、ショップに問い合わせるとECP3220Jでも取り付けられるとのこと。ステンレス製一つ穴タイプ。穴のサイズが1mmと小さく(今のデロンギは1.5~2mm弱はありそう)きめ細かな泡入れが可能という期待大な代物です。

 

 

中国発なので注文から2~3週間ほど待って到着しましたが、届いてアチャーと思いましたね。まず、ノズルを固定できません。装着先の根本のくぼみ部分に赤いバーリンをかませて見た目だけはしっかり固定できるのですが、スチーム噴出とともにポーン(  д ) ゚ ゚です。あいにく金属製のため結束バンドで固定も不可ですので、100均防水加工&耐熱の針金を買ってきて無理くり固定成功

固定できない代わりにノズルの径が1mmでスチームがきめ細かいが・・・

しかしながら、肝心のスチームは穴のサイズが小さいせいか勢いが弱くなってしまいミルク液面が思ったように動いてくれません。更にスチーム完了時のノズル周りに焦げ付いたミルクのカスが付着してなかなか取れないオマケ付き。シリコン製のノズルってその点、優秀だったんですね。。。今回のステンレス製ノズルはゆっくりスチーミングして問題ない条件の整った人には良い商品かもしれません。

 

筆者が次に手を出したのが、デロンギ製・全自動エスプレッソマシンのマグニフィカS用のスチームノズルがECP3220Jに装着できるという説。互換品を中国から安く取り寄せることもできましたが、今回は失敗したくないので公式通販から正規品をゲット。

 

 

いやー、これは見事にハマりましたね!結束バンドは相変わらず必須ですが固定も問題なし単純にノズルが長くなったこの成長感、最高です!(笑)

ノズルの全長が1.5倍くらいに!!これで勝つる!

これでノズルの対地面、対マシンの角度も調整可能になったので、検証中のスチーミング・プロセス改善が一歩前進♪

 

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【補足】家庭用エスプレッソマシンでラテアートへの道~準備編~「エスプレッソ抽出が先か、ミルクスチーミングが先か」

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~準備編~補足エスプレッソ抽出が先か、ミルクスチーミングが先か」

シングルボイラーを搭載する家庭用エスプレッソマシンでラテアートを作るとき、必ず選択を迫られるのが

 

(1)先にエスプレッソ抽出する派

(2)先にミルクスチーミングする派

 

のどちらに属するかという2択です。ネット界隈を見回してみると、やれクレマが消えるだのやれフォームが分離するだの両者それぞれ難しそうな主義主張があるようですが、当ブログとしてはともかくも前者推しでいきます。そう考える理由はいかにも素人発想ですが単純にして明快

後でスチーミングした方がコーヒーケーキ(抽出粕)を作る手間を省けるから。

デロンギ製の家庭用エスプレッソマシンだけなのかどうか比較対象がないので分かりませんが、エスプレッソ抽出のみを行った場合、それだけでは抽出粕がケーキにならずベチャベチャのままなんですよね。そこからわざわざスチームモードに切り替えて、数十秒後に緑ランプが点灯してやっとカチカチになるという塩梅で非常にめんどくさいです。その点、チーミング後なら間を置かずにケーキを排出できるので時間にして1分は短縮できます。人によっては毎日のことでしょうから例え僅かでも疎かには出来ません。

加えて、スチーミングを先した場合、やはりスチームミルクとフォームミルクの分離はかなり痛手です。この記事を書きながら試しにやってみましたが、スチーム後にバタバタでエスプレッソを抽出して、結果1~2分程度ミルクを放置しただけでも注ぎの時には先にしゃばしゃばミルクだけが落ちていき、後半に残ったフォームの塊がドバーッと液面に乗っかるという。その様は正直見るに耐えません。そもそもミルクの出来栄えがラテアートの完成度を大きく左右することは先人達が語り尽くしてきたこと。少なくとも家庭用マシンでは素直にミルク重視の路線でいきたいと思います。

※先スチームの方がラテアートのコントラストが改善するという情報もありましたが、確かにその傾向はあるようです。うちでは淹れたてエスプレッソのクレマが分厚くて慣れないですが(汗)

 

結論:家庭用エスプレッソマシンでラテアートを作る場合はエスプレッソ抽出を先にすべし

【補足】家庭用エスプレッソマシンでラテアートへの道~準備編~「ECP3220J ミルク・スチーミングの詳細すぎる手順解説」

【注意】当記事は2022年2月時点の原稿のため、現在の筆者の考えと一部異なります。参考程度にご覧ください。

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ECP3220Jイメージ

 

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  • ラテアートの注ぎの技術を学びたい方
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~準備編~補足「ECP3220J ミルク・スチーミングの詳細すぎる手順解説」

今回は、連載記事の第20回【まとめ】家庭用マシンでクリーミーなミルクスチーム」でお伝えしたミルクスチーミングのやり方について、裏技「ボイラー騙し」の前準備としてスチームを出し切った後の項目5~6を補足していきます。

 

5.(室温や本体温度にもよると思いますが)10~15秒程度で緑ランプが再点灯してしまうので、その前にミルクジャグにノズルを入れバルブを開放する
※ここでスチーム完了までに緑ランプが点灯してしまったら失敗です(=バルブ開放のタイミングが遅かった)。バルブ開放の頃合いは本体から「シュルシュル音」が聞こえ始めた辺りです。

6.安心してミルクスチームを滞りなく完了する
※5と6に関しては別記事で詳しくお伝えしたいと思います。ここが当記事

 

【5の補足】ボイラー騙しはタイミングがシビア!

ボイラー騙し(サーモ騙し)のテクニックはめちゃくちゃ便利なんですが、(スチーム準備完了を示す)緑ランプの再点灯直前にバルブを開放するタイミングが意外とシビアでして、気を抜くと「予想より早く点灯してもうた~!」など結構簡単に失敗してしまいます。消灯から再点灯まで10~15秒と書いてはいますが本体の状況によっても前後しますので、「シュルシュル音」が聞こえ始めたらさっさとバルブ開放してしまう方が失敗する確率は低くなると思います。

 

もし出遅れて点灯してしまったら、スチームを一旦出し切ってランプ消灯後に再開すればいいのでは?と思うかもしれませんが、例えばカフェラテ作りの手順として先にエスプレッソを抽出しておくスタイルの場合、その間、エスプレッソは冷えるわ、クレマは消えゆくわで正直オススメできません。なるべく一回で成功することを目指します。あるいは家庭用マシンのラテアートはミルクスチームが先!という風にスタイルが固まっている方はお気の済むまでどうぞ(笑)
エスプレッソの抽出が先かミルクスチームが先かについては諸説あるようですので、また別の記事で。

 

【6の補足】ミルクスチーミングの詳細すぎる手順

補足というか、一番難しい部分を完全に端折っていましたので詳しく書いていこうと思います(笑)バルブ開放後のスチームの手順ですが、世界中のサイトをなめるように見回し試してきた筆者が「(うちの環境では)たぶんこれだ」と思った正解然としたやり方を以下に記します。筆者と同じデロンギECP3220Jをお使いの方には必見の内容となっております(笑)環境違いの方はお手数ですが各自お読み替えを・・・。

 

■手順0「バルブ開放前準備その1~ジャグのポジショニング~」

シリコン製のノズルが露出した状態(根本を結束バンド留)で、正面から見たノズルの向きを本体接地面と垂直(※)にし、角度を本体奥から手前に向けて15~30度ほど傾ける
※ミルクの表面に届かない場合のみ最小限下方向に傾ける。

 

■手順1「バルブ開放前準備その2~ノズルポイント合わせ~」

左手は温度確認用にジャグの側面~底に触れる姿勢で、右手でミルクジャグ(12oz)の持ち手をアナログ時計の4時半方向(筆者の好みです)で持ち、地面と水平にまっすぐ持ちながらノズル下に配置。そのままミルク表面に1cm程度ノズルを差し込みます。差し込む位置はミルクジャグを上から見たときに、4時半と10時半を結んだ直線を三等分するポイントの4時半側から一つ目地点。ここにうまく差し込むと予め傾けておいたノズルの角度との相乗効果でミルクが横回転(超重要しやすくなります。

 

これに加え、筆者はノズルを差し込んだ後にジャグを僅かに傾けると良いというテクニックを海外の動画で見かけ今も実践しています。今回の場合、手首を時計回り(右回転)に5~10度ほど回す感じで傾けます。気分的にはおまじない感覚ですが効果もある気がします。ジャグの壁が地面と垂直であるより、少し角度をつけたほうが重力等の関係で底面付近の蒸気の効率的な跳ね返り運動を期待できるのかもしれません。

 

■手順2「バルブ開放~ミルクの回転軸探し~」

差し込みポイントが定まってバルブを開放すると、すぐに勢いよく横回転を始める場合と、僅かなポイントのズレで回転がもたつく場合があります。後者の場合は速やかにノズルを現地点からミルクジャグの壁に近い方向に前後左右3~5ミリ単位でずらす(※)などしてミルクが回りだすポイントを探ります。ミルク温度上昇のリミットまで時間との戦いです。このポイントをいかに早く見つけられるかがスチームミルクの完成度を大きく左右します。
※ジャグの形状にもよるとは思いますが、筆者の環境では経験則的に下方向にずらすと回りだすことが多い気がします。

 

■手順3「空気入れ作業~ミリ単位の上下運動~」

(この時点でバルブ開放後2~5秒程度)遠心力で渦巻のように中心が凹んでくるなど横回転が割合高速で安定してきたら今度は重要な空気入れ(=フォームミルク作り)です。1cmほど差し込んでいたノズルを液面近くまで上昇させると、チチチッという軽い音と共に空気が入ってくれるポイントがありますので液面の上昇(=空気が入っている)を見ながら必要量(カフェラテの場合、元のミルクの1.2~1.3倍程度)になるまで続けます。勢い余ってゾゾゾッという音がするポイントまでノズルを上げてしまうと、チチチッに比べて大きめの泡粒が一気に入ってしまい、後半で撹拌しきれずに粗い泡粒が残りやすくなるため要注意です。なお、回転運動はこの時点でも維持されているのが理想です。

※ちなみに腕のある経験者はこのゾゾゾッとチチチッを巧みに使い分けて空気入れの時間を短縮することもあるようです。うまく行けばその分撹拌時間が伸びるので確かに有用ですね。言い換えれば、ある程度なら空気入れ時に大粒の泡が入っても腕次第で撹拌によって潰せる可能性が残されているということです。

 

■手順4「撹拌作業 前半~斜め回転のマグマ召喚~」

液面が必要量まで上がったら次は撹拌作業(=取り込んだ空気を細かく潰して全体に行き渡らせる)です。今までの横回転では空気がぐるぐる回ってしまうだけなのでそこに縦回転を加える、つまり斜め回転にすることでミルクをジャグ内で縦横無尽に暴れさせます。その過程で大きめの泡粒同士がぶつかり合って細かくなってくれれば御の字です。やり方はノズルを液面に差したまま最初に見つけた横回転ポイントから右方向(=ジャグの壁方向)に1cm程度ずらし、空気入れ時より5mm~1cm程度深めに沈めるだけ。それまでの綺麗な渦巻にマグマのボコボコのような沸き立つ動きが加わったら(筆者的には)成功です。そういうポイントが見つかるまでは2.と同じく前後左右3~5ミリ単位でずらしてスウィートスポットを探す必要があります。

 

■手順5「撹拌作業 中~後半~荒ぶる神を沈める~」

撹拌中(特に後半)は液面が暴れ過ぎることもあります。その時はもう少しだけノズルを深く沈めて均衡を図ります。暴れた液面から一瞬でもノズルが露出してしまうと余計な空気が入ってしまう恐れがあるからです。撹拌中に不用意に入ってしまった空気を潰し切るのは容易なことではありません。先にミルクの温度上昇がリミット(65度前後)を迎える可能性の方が高いです。

 

■手順6「撹拌作業 終盤~温度と最後っ屁に注意~」

感じ方に個人差はあると思いますが、撹拌およびスチーム中のミルクの温度が50度を超えた辺りから、ミルクジャグに触れている手肌に刺すような熱さを感じ始めます。筆者は手の皮が薄いので触れ続けることができず、ちょんちょんと触りながら確認しています。ミルクが狙った温度(55~65度)に達する少し手前でバルブを閉じます(※)。この時注意したいのが、スチーム音が完全に鳴り止むまでノズルを液面から出してはならないということ。最後っ屁ではないですが、経験上、余計な泡が液面に発生することがあります。
※手前にする理由はジャグの予熱等で僅かに温度上昇してしまうマージンを確保するため。なお、ジャグ伝いの55~65度のミルク温度の感覚は事前に温度計を使って体験しておくことをオススメします。65度以上の領域ではミルクの成分が分離を始めてボソボソになったり大きな泡が残ったりといった質感上の問題が懸念されます。

 

■手順7「仕上げ~カッコいいけど最小限を目指す~」

ノズルを拭き上げ空ぶかしをしたら、(1)流し台等の上でミルクジャグの底を軽くトントンと叩き、(2)ワインのスワリングのように液面をくるくる回す一連の動作(1+2)数回繰り返します。こうすることで撹拌作業で潰しきれなかった大きめの泡を潰しつつ、ジャグ内のスチームミルクとフォームミルクを馴染ませる仕上げ(というより帳尻合わせ?)のような効果があるそうです。然る後、肉眼では泡粒の見えないピカピカの光沢あるミルクになっていれば晴れて完成です。
トントン+くるくるの作業はあくまで微調整です。実際はミルクスチーミングの時点で調整が不要なくらいピカピカクリーミーに仕上がるのが理想的(どこかの解説サイトの受け売り)です。

 

格言【ミルク(牛乳)は農産物なので不安定が当たり前】

忘れてはならないのが扱っているのがミルクという不安定なものであること。これは泥沼にハマって2年以上経過した今この記事を書いている時点で気がついたことなのですが、ミルクスチーミングが安定しない大きな原因は、まず成功体験不足による不完全な技術の癖化、連載記事でもお伝えした(家庭用では特に)ハード面の制約、そして「ミルクという飲料そのもの」ではないかと。

 

どういうことかと言うと、牛乳って例えばどのスーパーでも売られているような大手商品なら当然品質も安定していそうに思いますよね。確かに表向きの仕様上はそうなんですが、厳密には乳牛のエサは季節によって変わるため、特に成分無調整乳では乳脂肪分以外の各成分の割合も季節ごとに(大幅ではないにせよ)変わってしまうそうです。一般には乳牛の水分摂取量等の関係で夏はサッパリ、冬は濃厚だとか。調べていて地味に驚いたのが商品ラベルにある「乳脂肪分3.5%以上」という表記も年間を通した平均値ということらしく、目の前にあるその牛乳が実際何%なのかを表すわけではないようです。つまり、出荷ロットによっては3.5だったり3.7だったり様々だということが想像されます(あ、、、年間平均値なら一時的に3.4以下もあり得るってこと?)。

 

しのごの御託を並べて何を言いたいかと言うと、牛乳は同じ銘柄の商品を買っていても毎回同じ成分のものとは限らない不安定なごく普通の農産物であるということです。かのラテアート世界一の澤田洋史氏をして、フォームミルクはその日その日で状態が変わると言わしめた(らしい)ほど繊細でアナログなものなんです。そんな安定しないものを毎回高温の蒸気でぐちゃぐちゃにかき回すんですから、むしろ多少のブレはあって然るべきかもしれません。即ち安定させるべきは、そういう不安定要素をカバーするスチームの技術であり、一貫したハード面の作法であるということが言えると思います。

 

関連記事 第20回【まとめ】家庭用マシンでクリーミーなミルクスチーム」

【お詫び】ブログを更新していなかった言い訳

いや~、実はサボって忙しいのもあったんですが、あいも変わらず沼ってました!(これはホント)

ラテアート準備編の捕捉やら何やら書き溜めていたのに、いろいろ検証している最中でエンカウントしてしまったんですよね。。。

復活したバラモスゾンビに(意味深)。

詳しくは、まず時系列的に何が起こってどう対処したのかを整理する意味で、現在の筆者の考えとは違う内容(※)も含めて、本来アップ予定だった書き溜めた記事を順番に消化し終わってからアップしていきます。

 

※誤解のないように文頭とかに「現在の筆者の考えとは異なります」みたいな注意書きを入れて区別できるようにしようかと。

 

書き溜め分をひと通り上げ終わった後に徐々に触れていくつもりですが、エスプレッソファン必見の内容を今後アップしていく予定です。伊達に1年以上もサボって沼にハマっていたわけではありません。お楽しみに。

 

関連記事 第20回【まとめ】家庭用マシンでクリーミーなミルクスチーム」

 

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