【補足】家庭用エスプレッソマシンでラテアートへの道~トラブル編~「ボイラー騙し、謎の強制無効化事件、発生」
【注意】当記事は2022年8月時点の原稿のため、現在の筆者の考えと一部異なります。参考程度にご覧ください。
(現在の筆者の考えに至るまでの経緯を把握しやすくするために敢えて過去の保留原稿をアップ中)
完全初心者が家庭用マシンでラテアート向けの泡粒の見えないレベルでクリーミーなフォームミルクを作れるようになったマル秘テクニックと全使用機材公開(全20回)
この連載記事に向いている方
- これから家庭用エスプレッソマシンを購入してラテアートもしてみたい予備軍の方
- すでに家庭用マシンは購入済みでどうしてもスチームミルクをうまく作れない方
- デロンギ社製のエスプレッソマシン(特にECP3220J系)に興味のある方および所有者
- 長文でも読破してやるぜという意気込みの方
この連載記事に向いていない方
- ラテアートの注ぎの技術を学びたい方
- 業務用マシンを使っている方
- 長文にどうしても耐えられない方
~トラブル編~「ボイラー騙し、謎の強制無効化事件、発生」
2月頃(2022年)からECP3220Jに特化したミルク・スチーミング法の模索に明け暮れ、せっせと記事を書いては消しを繰り返していたら、いつの間にか季節はうららかな春。いや、気が付けばもう真夏(2022年8月)でした(滝汗)
懸案事項だったスチームノズルも交換できたし、満を持してマル秘スチーミング法を公開してやるぜぇと思った矢先!予想もしなかったトラブルに見舞われました。。。
ボイラー騙し(サーモスタット騙し)の裏技「謎の強制無効化」事件発生。
正確にはボイラー騙し発動中にも関わらず撹拌完了前の早い段階でスチームランプが点灯(※)してしまう原因不明の症状。ナシテ?・・・ドボジデ?
※それ以降、蒸気が作られなくなり、勢いが衰えて大抵は撹拌が不十分なままミルクが規定温度に達する
幾多の不毛な泥沼を切り抜けてきた筆者は直感的に察しましたね。これはおそらく史上最高難度の沼であると。案の定、何度やっても不動の再現性あり。やっとの思いで安定しかけたスチーミングが大粒の泡だらけの初期シャバシャバへと逆戻りです。。。(涙)
一向に改善の兆しが見えない中、もうミルク・スチーミングだけ別の機械を使うしか方法が残されていないというギリギリのところまで追い詰められた筆者。一応レベルで調べてみると抽出とスチームを別マシンで行っている人は意外と多いようで、すぐに候補が見つかりました。
ガスコンロ(IHも一部可?)を熱源にして、簡易のエスプレッソ抽出と本格スチーミングを行える電源不要の商品で、特にスチームの威力が並の(家庭用?)エスプレッソマシン以上らしいというクチコミ評価がなんともワンダホー。しかし、お値段も万単位という正にエスプレッソマシン並(汗)、思いつきでポチるには少々勇気がいります。。。
。。。さあ、迷った時は得意技「最後の悪あがき」の出番です(笑)
今回の「ボイラー騙し、謎の強制無効化」問題について正直やれることはやった気になっていましたが、人間、追い込まれると出てくるもんですね(笑)捻り出されたのは以下3つの検証の余地。
1.いつも購入している牛乳(=明治おいしい牛乳)の性質が変化した可能性
2.ミルクスチーミング無しでボイラー騙しが正常に機能するのかどうか
3.筆者のスタイルは先抽出の後スチーム(逆に言えば先スチームの時にどうなるのか)
1.については以前の記事でも触れましたが、乳脂肪率(又は含まれる成分)の違いによって僅かながら撹拌効率に差が出る(気がする)というもの。粘性が上がるので逆効果の気もしましたが念のため特濃ミルクで試したところ、やはり同じようにボイラー騙しの強制無効化が発生。大粒の泡とシャバシャバに変化はありませんでした。ちなみにスチーミングの練習でよく使われる洗剤入りの水道水で試しても結果は同じ。どうやら粘性の高低の問題ではないようです。
2.エスプレッソ抽出の後に空のジャグでボイラー騙しを試してみたところ、バルブを閉じるまでスチームランプが消えたまま蒸気が作られ続けることを確認(=ボイラー騙し自体は問題なく機能している!)
3.慣れとは恐ろしいもので、こんな基本的なことを試していませんでした。残念ながら先スチームでもボイラー騙しの強制無効化は起こりましたが、スチームランプの点灯までに時間的余裕が若干(5秒程度)ですが生まれるようです。
1と2を考え合わせると、ボイラー騙しはおそらく正常に機能しているが、液体をかませるとスチームランプが点灯するまでの時間を早める何かしらの因子が働くということになります。その正体を掴めれば解決への糸口が見えてきそうです。
3の検証で得られた「時間的余裕」を生み出す因子はおそらく後スチームと先スチームというスタイルの違いに潜んでいると思われます。その違いで挙げられるとすれば、エスプレッソマシンの暖機完了前か後かということ。エスプレッソマシンは電源投入後ボイラーから伝わる熱で本体内部の温度が上昇していくので、その温度が低いうちに行う先スチームの時に「時間的余裕」が生まれるたのだとしたら、この場合の因子は「熱」なのでしょうか?
そういえばまだ気温の低かった春先くらいまでは後スチームでも問題なくボイラー騙しが成功していたので、春以降、次第に暖かくなってきた気温の推移とボイラー騙しの強制無効化発生は時系列的にもある程度リンクします。寒い時期にはうまく騙せていたサーモスタットが本体・環境温度に影響され始めたという感じでしょうか。仮にそうだとすると、また寒くなるまで何ヶ月もボイラー騙しを封印(=我が家では実質カフェラテ・カプチーノ封印)しなければならないということ・・・!?(涙)
・・・いや、まだだ、まだ終わらんよ!
よくよく考えてみれば、上記2の検証時、後スチームでも空のジャグならボイラー騙し自体は機能していたので熱が因子の全てではないようにも思えます。検証1のように液体をかませた時だけスチームランプが早々と点灯するわけですから、、、
液体をかませた時だけ。。。( ゚д゚)ハッ!
もしかしてもう一つの因子って、いわゆる「圧力=蒸気圧」ってやつですか!?
丸っ切り想像ですが、ノズルから蒸気を噴出する圧力がジャグ内の液体の粘性に負け、高温の水蒸気がボイラーから効率よく出て行けないせいで次第にボイラー内温度が上昇してしまい、結果サーモスタットが(蒸気が満足に無くても?)スチーム準備完了と見なす=規定温度に達したと誤判定してしまっている、、、とか?(いやまあ、設計思想的には誤判定ではないのかもしれんけど)
そう考えると、ボイラー騙しが成功していた寒い時期は、仮にこれと同じ問題を抱えていたとしても、外気の冷たさからボイラー内の温度上昇が緩やかになり、サーモスタットの誤判定リミットまでに時間的余裕があるのと季節的にミルクの温度上昇も緩やかなので、スチーミングは元々圧力不足で非効率的ではあっても、じっくり細々と撹拌完了まで漕ぎ着けられていた・・・と思えば辻褄が合います。
とかなんとかザックリ原因の仮説を組み立てることは出来ましたが、問題は蒸気圧ですよ!安価な家庭用エスプレッソマシンに蒸気圧を上げる方法なんてあるんかいな!?今だってスチームランプ点灯ギリギリまで蒸気を溜めてからボイラー騙ししても速攻(10秒台)無効化発動してるやん。いやもう、これマジ手詰まりじゃね!?(発狂)
はい、終わったーーーーーーm9(^Д^)
次回、「真ボイラー騙し、爆誕」へ続く
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